これから製作する本をご紹介

『おこりんぼの魔女がまたやってきた』ハンナ・クラーン著 工藤桃子訳 早川書房 158ページ
 
いじわるな魔法をやめて退屈していた魔女だが、ふと開いた魔法の本に新たないたずらのタネを見つける。
魔女と動物たちの駆け引きをユーモラスに描く。
 
 
スロウハイツの神様』上 辻村深月著 講談社文庫 365ページ
 
ある快晴の日。人気作家チヨダ・コーキの小説のせいで、人が死んだ。
猟奇的なファンによる、小説を模倣した大量殺人。
この事件を境に筆を折ったチヨダ・コーキだったが、ある新聞記事をきっかけに見事復活を遂げる。
闇の底にいた彼を救ったもの、それは『コーキの天使』と名付けられた少女からの百二十八通にも及ぶ手紙だった。
事件から十年。売れっ子脚本家・赤羽環と、その友人たちとの幸せな共同生活をスタートさせたコーキ。
しかし『スロウハイツ』の日々は、謎の少女・加々美莉々亜の出現により、思わぬ方向へゆっくりと変化を始める
 
 
スロウハイツの神様』下 辻村深月著 講談社文庫 486ページ
 
莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。
少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に百二十八通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った一人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。
そして環が受け取った一つの荷物が彼らの時間を動かし始める。
 
  
『物質的恍惚』 ル・クレジオ著 豊崎光一訳 岩波文庫 463ページ
 
既知と未知の、生成と破壊の、誕生前と死後の円環的合一のなかで成就する裸形の詩。
「書くこと」の始原にして終焉の姿。
 
 
『JAPANサッカーに明日はあるか』 熊崎敬著 文春文庫 223ページ
 
岡田武史監督の言う「ベスト4」は希望的観測ですらない。
プロリーグ発足、W杯共催でサッカー大国に名乗りをあげたはずの日本だが、南アW杯の結果次第ではサポーターの支持を一気に失うことさえ考えられる。
世界のサッカーに通じたジャーナリストが、日本サッカーの現在を冷静に分析し、明るい未来への展望をリポートする。
 
     写真、年表あり
 
 
『悪税が日本を滅ぼす』 大村大次郎著 新潮文庫 210ページ
 
かつて税金はお金持ちから多く取り、貧者に分配していた。
しかし、今の税制は金持ちに有利な仕組みになっている。
その究極の犯人とは…?
世の中には、とてつもない富裕層があらわれワーキング・プアが激増中。
格差社会は広がるばかり。
狂った税制と役人による様々な税金の無駄遣いを暴露し、元国税調査官の著者が警鐘を鳴らす、過激な税金入門書。
 
 
『未来医師』 フィリップ・K・ディック著 佐藤龍雄訳 創元SF文庫 285ぺージ
 
医師パーソンズは突如として25世紀の北米へ時間移行した。
そこでは人種の混交が進み、全員が混合言語を話し、複数の部族に分かれて生活している。
人間の平均寿命は15歳、さらに医療行為が重大な罪とされていた。
この悪夢的社会を変えようとする一派の活動に巻き込まれたパーソンズは、さらに幾度も時間航行に連れ出され、重要な役割を果たすことに。
時間SFの秀作、本邦初訳。